header_nikos
       
 
 
 
 
 
 
 
 
研究会の講義録
 

27 <素問靈樞案内 4 「素問・剌腰痛篇を読む」>

古典鍼灸青鳳会 平成26年9月

 

■ 諸 言

素問・剌腰痛篇は問題の多い篇である。にもかかわらず、扱っている内容が腰痛であるだけに、我々は一度は見てみざるを得ない。しかし、見るたびに途方に暮れるのである。

どんな問題があるかといえば、解脈、同陰之脈、衡絡之脈など聞いたこともない脈がたくさん出てくる。それが脈名なのか、穴名なのかも判然としない。また、その走行部位が分からない。足の厥陰脈などは、ふくらはぎの外側を通るなどと書いてあって、注釈家の誰もそれが間違いだと質していない。こんな馬鹿なことがあるかと思う。

森立之もしまいには、「案ずるに直陽の脈は諸説粉粉、一定ならず、これ素問の誤りに本づきて説を爲すに就いて因るなり」とまで書いて、怒り心頭である。

そうしたわけで、剌腰痛篇は一度きちんと読んでみなければならないと思っていた。
幸いに、26年1月に「失敗しないぎっくり腰治療」と題して、急性腰痛を扱ったときに、冒頭部分にだけは取り付くことができた。今回の素問靈樞案内(26年9月)では、解脈以下を読んだが、ここではその全てを改めて載せておく。 主に森立之の素問攷注をもとにした。